源 吉兆庵農園の歩み2020年07月11日

マスカット・オブ・アレキサンドリアへのこだわり

透き通った美しい翡翠のような緑色、甘みと酸味の絶妙なバランスを持つマスカット オブ アレキサンドリアは、夏の代表菓子「陸乃宝珠」に欠かせない果実です。
しかし近年、農家の方々の高齢化や後継者不足、新品種の登場などによってマスカット オブ アレキサンドリアの生産は減少しています。
また、マスカットの生産方法のひとつである早期加温栽培は、農家の方々や果樹への負担が大きく収穫量も限られているという課題もあります。

陸乃宝珠の味とぶどうの品種を守りたいとの想いから、2013年に農業生産法人 源 吉兆庵農園を設立。2014年に植樹を行い、2016年から早期加温栽培によるマスカット オブ アレキサンドリア生育の取り組みを始めました。

マスカットの栽培方法


源 吉兆庵農園では、「根域制限栽培(こんいきせいげんさいばい)」という方法で栽培を行っています。
これはマスカット栽培ではあまり例のない栽培方法で、苗木を1本ずつプランターで栽培します。根の成長を制限することで、水や肥料を的確に与えられ、風味の強い実の締まったマスカットになりやすいというメリットがあります。
マスカットの房が作業者の目線よりも下になるよう枝の角度を調整し、屈まずに作業ができるなど作業者への負担軽減と作業効率の良さもメリットです。

果実からお菓子へ

また、栽培する農園とお菓子の生産拠点を近づけることで、より新鮮なまま和菓子に仕立てることも可能になりました。
土づくりから収穫まで、和菓子の素材として適したマスカットになるよう細心の注意を払いながら、ひとつひとつの行程を丁寧に行い、果実を和菓子に仕上げていきます。

まだまだ経験も浅く課題も多い取り組みではありますが、素材である果実づくりからこだわったお菓子をお届けできるよう努めてまいります。