源 吉兆庵農園について

源 吉兆庵農園から始める新たな取り組み

マスカット オブ アレキサンドリアをまるごと一粒使用した夏の代表菓子「陸乃宝珠」は、5月上旬から数量限定で販売を開始しています。毎年多くのお客様にお待ちいただいており、その初物ならではの甘酸っぱいフレッシュな風味が好まれています。

この早い時期に収穫するマスカットは、温室での早期加温栽培によって大切に育てられています。
その栽培方法には通常の夏に収穫するマスカットよりも経験と知識が必要となるため、収穫量が限られています。そこで源吉兆庵では和菓子の素材として適した早期加温栽培でのマスカット収穫を目指し、2013年新たに農業生産法人を設立いたしました。

栽培のこだわり

源 吉兆庵農園では、マスカット栽培ではあまり例のない「根域制限栽培(こんいきせいげんさいばい)」という栽培方法を行っています。苗木を1本ずつプランターで栽培し、根の成長を制限することで、水や肥料を的確に与えられ、風味の強い実の締まったマスカットになりやすいというメリットがあります。
また、マスカットの房が作業者の目線よりも下になるよう枝の角度を調整し、屈まずに作業ができるなど作業者への負担軽減と作業効率の良さもメリットです。
収穫方法についても、房ごとに収穫するのではなく粒ごとに収穫しています。そうすることで、一粒一粒のマスカットが「陸乃宝珠」の規格に合った大きさになってきてから収穫することが可能になります。

陸乃宝珠に適した最良のひと粒を求めて

見識者のご指導を仰ぎながら育成してきたマスカットは2015年に、待望の初収穫を行いました。
そして「陸乃宝珠」の一部において、果実の栽培から商品化まで一貫した和菓子づくりを行うことができました。
まだまだ課題の多い取り組みですが、これからも果実にこだわり、果実そのものの風味を生かした和菓子をつくる、宗家 源吉兆庵ならではの農業に取り組んで参ります。