棟方志功「花深処無行跡」2023年10月05日

「文字は人なり」偉人の筆跡を見る

 岡山・吉兆庵美術館にて開催中の『「文字は人なり」偉人の筆跡を見る』では、偉人たち直筆の書軸を展示しています。
 今回の「美術館のピックアップ情報」では、棟方志功が愛した言葉である「花深処無行跡」についてご紹介いたします。

棟方志功

1903年(明治36年)9月5日─1975年(昭和50年)9月13日。
日本の板画家。青森県出身。浄土真宗を信仰しており、仏を題材にした作品が有名。
代表作「湧然する女者達々」はヴェネツィア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞。こ
れは日本人としては初めての快挙である。1970年(昭和45年)には文化勲章を受章。

花深処無行跡(はなふかきところぎょうせきなし)

 板画家である志功が書いた書軸で、「どんな偉人や金持ちでも大自然の中では小さな存在で、人の足跡などすぐに消されてしまう」という意味の言葉です。これは志功が好んだ言葉とされており、彼の版画作品の中には同じ言葉が記されたものが多くあります。

 こちらの作品を筆跡診断の観点から見ると、横広型の文字を書くという特徴があり、これは高い活動力や体力の現れであると考えられています。また、文字の間隔が狭いという特徴は、せっかちな方に多く見られます。どちらも「早く描かないと絵が逃げる」と語った、志功の心理が表れた筆跡であるといえるでしょう。

岡山・吉兆庵美術館にて開催中『「文字は人なり」偉人の筆跡を見る』

本展では他にも、吉川英治作「いろは」や谷崎潤一郎作「囲炉裏」などを展示中。
“文字に表れた人間性”に思いをはせながらご覧ください。

岡山・吉兆庵美術館(岡山市北区幸町7-28)
企画展:『「文字は人なり」偉人の筆跡を見る』
会期:令和5年9月9日(土)~ 11月12日(日)