三代 宮川香山 「極彩色孔雀香炉」2023年11月28日

横浜眞葛焼 宮川香山の技

鎌倉・吉兆庵美術館にて開催中の「横浜眞葛焼 宮川香山の技」では、世界で高い評価を受けた陶芸家、宮川香山の陶器を展示しています。
今回の「美術館のピックアップ情報」では、三代 宮川香山 作「極彩色孔雀香炉」についてご紹介いたします。

極彩色孔雀香炉

◆横浜眞葛窯とは

 京都の眞葛ヶ原で生を受けた初代 宮川香山(本名:虎之助)は、海外への販路を見据えて窯を横浜に移築。三代にわたってこの地で数多くの作品を世に出しました。

◆極彩色孔雀香炉

 優美な孔雀を緑色の釉薬で表現した作品です。香炉のため背中に穴が開いており、そこから香煙が吹き出すようになっています。複雑な形状の尾には千本を超える羽毛が金彩で描かれており、それぞれに異なる動きをつけることで柔らかな質感を立体的に表現しています。

◆眞葛窯と動物

 眞葛窯の敷地内には、鳥類をはじめとする多くの動物が飼育されていました。これらを詳細にスケッチすることで、しぐさや表情、毛並みに至るまで精巧に再現することを可能としていたのです。

鎌倉・吉兆庵美術館にて開催中「横浜眞葛焼 宮川香山の技」

さらに本展では、「倣仁清意雉子香炉」(写真左)や、「眞葛窯子供獅子舞置物」(写真右)などを展示中。
歴代宮川香山の“超絶技巧”をご覧ください。

鎌倉・吉兆庵美術館(鎌倉市小町2丁目9-1)
企画展:「横浜眞葛焼 宮川香山の技」
会期:令和5年9月30日(土)~ 12月17日(日)