北大路魯山人「藤花図屏風」2022年06月21日

書家・篆刻家・日本画家 北大路魯山人展

岡山・吉兆庵美術館にて開催中の「書家・篆刻家・日本画家 北大路魯山人展」では、
書家・篆刻家・日本画家としての作品やその足跡を感じる焼物を展示しています。

今回の「美術館のピックアップ情報」では、北大路魯山人作「藤花図屏風」をご紹介します。

北大路魯山人って、どんな人?

明治16年(1883)3月23日―昭和34年(1959)12月21日。本名は房次郎。
書家、篆刻家、料理人、陶芸家、漆芸家、画家という様々な顔を持ち、しかもそれぞれの分野で一流の仕事を遺した芸術家です。
魯山人は美食家、料理人、陶芸家としてよく知られていますが、はじめは書道の才能を認められました。独学でその筆技を身に着け、当時21歳にして日本美術展覧会の書の部門において、一等賞に選出されたのです。
また篆刻家(印章や看板を刻む職人)としても頭角を現し、錚々たる日本画家の印章や店の看板を手掛けることになりました。
さらに、幼少の頃に抱いた夢、日本画家への想いは、後に琳派の技法を取り入れた軸や屏風に発揮され、日本画家としても多才な作品を遺しています。

「藤花図屏風」

師を持つことはありませんでしたが、魯山人の日本画には、琳派(りんぱ)の趣きを感じさせる表現があります。
琳派(りんぱ)とは、江戸時代における装飾芸術の流派で、俵屋宗達・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)を祖とし、尾形光琳(こうりん)・乾山(けんざん)兄弟により大成されました。
琳派の特徴としては、「たらしこみ」(色が渇いていないうちに他の色をたらしてにじませていく技法)や写実性とは違った表現で、モチーフ化させて、デザイン的な構図で描く技法がよく知られています。
魯山人は光悦、宗達、乾山などの琳派の先覚者を尊敬しており、その技法が画風に取り入れられているように感じられます。

この作品では格子垣や植木鉢には、絵具をにじませる色彩表現の技法が用いられています。淡い濃淡を活かした風合いで描かれた背景とは対照的に手前の藤の花は繊細に描かれており、より一層映えて見えます。
目を凝らすと、雀や蜂が描かれており、魯山人の自然への畏敬の念が感じられるようです。

岡山・吉兆庵美術館にて開催中「書家・篆刻家・日本画家 北大路魯山人展」

今回の展示は、魯山人コレクションのなかでも、書家・篆刻家・日本画家としての作品をクローズアップして展示。
美食家、料理人、陶芸家としてよく知られている魯山人からは一線を置いた、書家・篆刻家・日本画家としての多岐にわたる才能をこの機会にご覧になりませんか。

岡山・吉兆庵美術館(岡山市北区幸町7-28)
企画展:「書家・篆刻家・日本画家 北大路魯山人展」
会期:令和4年5月28日~7月24日